© 虹乃ノラン All rights reserved.

雑記:人生逆噴射文学賞、大賞発表配信を見て。

第一回人生逆噴射文学賞にて、『骨を孕む』を大猫昔話賞に選んでいただいたのですが、その大賞発表配信をさきほど拝見しました。それで初めて知ったのですが、送った二作がともに一次を通過(敗者復活でなく)しており、さらにもう一作の『鱗粉』も佳作をいただいていたことを知り、もうびっくり!

以下、主催の方々へのお手紙のようなつもりで感想を書きました。ありがとうございました。配信をご覧になられていない方には、少しわからない部分があるかもしれません。ごめんなさい。

――

人生逆噴射文学賞 大賞発表配信

山崎尚哉さんと、髙井ホアンさんのお二人による「人生逆噴射」というハードコアテクノユニット。うん、それってなに? と思ったのはあなただけではありません。私もよくわからないままに、遠巻きな気持ちで募集要項を読んでおりました。昨年末のことです。

どうやら「第一回」らしい。「人生逆噴射」は南阿佐ヶ谷で叫ぶ系のライブをやっているようだ。古賀コンの古賀さんが審査員のひとりである諏訪さんとお知り合いらしい。破滅派の方々との親交が厚そうだ。ちょっとこわいけど興味ある。

えー、私の素直な感情を振り返るとだいたいこんなところでしょうか。手元には、表に出せないまま眠っている「原案の塊」が100万文字くらいありますね。なんかないかな。その塊を考古学発掘のようにたまに掘りますね。だいたいは、長編にしたくてその冒頭をだだーッと書いたシーンの数々です。何万字も書いて放置しているものも多数。一つずつ形にしなきゃ!という焦りは付きまとってはいるけど、時間には限りがあるから、何年も眠っています。悪くはないけど、転と結が決まらないから手をつけられない。そんなものがいかに多いか。このまま私が先に死ぬ可能性のが高そうです。

最近私は幸せなことに、自由な「詩」という存在を味方につけて(私がそう思っているだけですが)、結末がないなら詩で切り出せばいいじゃない!と好き勝手なことを思い始めたところではあるのですが、そこへふらっと姿をみせてくれた「人生逆噴射文学賞」。

「え、おまえなにしにきた?」

と門前払いを受ける可能性大いにある。大いにありすぎる。でもいいや、えい!

くらいで放り込みました。一次配信? みてませんよ! 落ちてると思ってましたし、心折れるの怖くて。ならばなぜ出した、と言われるかもしれませんが、そういうものなんですよ。文字でしか気持ちをかけない人間のうちの心理というものは。はい……ごめんなさい。

実は一次発表配信の少し前に、ついったで一次通過者一覧が印字された写真(資料の一部ぽいもの)を見ていたのです。そこに私が応募した二つは載っていなかったため、その時点で、あ、落ちたよねーと思っていたのです。そして先ほど知ったのですが、私が送った『鱗粉』と『骨を孕む』は、ともに、敗者復活ではなく、一次通過に含まれていました。驚き! ありがとうございます……。しかも配信でも「次も送ってきて」と言っていただいていました。場違いじゃなかったー。っほ。この気持ちで今いっぱい。

三月はちょっとばたばたしていまして。いや、もう数年前からずいぶんばたばたが続いてるんですが、そんななかでふらっとこれまたやってきた、「受賞のお知らせ」これメールくださったのは諏訪さんなのかしら。えー! ありがとうございます! 花大猫様の審査員賞!? 相撲観戦? えー! 行きたいけど! 東京ですよね? あうあうあー。

「ネコが闘病中につき、まことに残念ながら粗品を(ください)。でもお礼をお伝えしたいから花大猫さまのご連絡先おしえてください」

とわがままを。

そしたらすぐにメールをつないでいただいて……。ありがとうございます!

スマホだとなかなかしっかりとメールの確認ができない生活環境にあるため、ご連絡が遅くなりまして失礼いたしました。たくさんのあたたかいお言葉をいただいた花大猫様、あらためまして、ありがとうございます。先ほど配信でお声を聴いて、しっくりしっくり。メールで書いていただいたことも踏まえて、さらにしっくりしっくり。980円のピノノワール(ピノではかなり安いカテゴリ)と298円のピザ(魚焼きグリルで焼きます)で緊張をごまかしつつ、膝の上でがっちり楓(闘病中)をホールドしながら配信を最後まで拝見いたしました。

いやあ、たのしかった。もっと早く観ればよかった! ホアンさんトークうっま! 楽し! 会場行ってみたかった~。

大賞を含む5つの賞のほかに、予告されていなかった「佳作」(該当3作品)も発表されていました。どうやらこの3つは、大賞と僅差だったとのことでしたが、大賞作の『月の輪』(ご本人が受賞を表に出してたし、諏訪さんもXでリポストされていたから言っても大丈夫かな)は、逆噴射にふさわしい納得の受賞だと思いました。(配信では、少し見づらくはありますが、8作品の全テキストが読めます※内ひとつは映像作品なので本編は見れないですが)

私自身が書いた原稿を前にして、トークが繰り広げられる、という初めての体験に、私は涙ぐみました。とくに『骨を孕む』のあと、海に撒いてほしいけど、とか鳥葬が、とか、自然に戻してほしくても望む形では戻れない社会にあるよね、といった会話で、ほんとにうるると。2017年ってなんでだろう、というお言葉があったので、軽く本作に触れます。

これ、先にカクヨムに掲載してたんですが、日記文学としてのエッセイ、掲載ジャンルは「エッセイ・ノンフィクション」です。以上です。

(※要らぬ荒波をたてぬよう、現在は現代ドラマジャンルに変更してます。内容は変わってません)

あ、軽すぎました。花大猫さんとお会いできたらいっぱいお話します! 「人に言えないだけで、口にしてみたいって気持ちあるよねー」「え、私はわかりません!」というようなトークが面白かったです。カクヨム版では多数の感想とレビューをいただいているのですが、言葉を寄せてくださる方の中には「同じ事をするかもしれない!」という方も少なからずいらっしゃるので、そちらもあわせて楽しめるかもしれません! ぜひ⇒「骨を孕む」カクヨム版

『鱗粉』は、今現在、カクヨムの限定【近況ノート】にだけ掲載してるんですが、(サポーターになると読めます)内容が内容なため、サイトに載せるの悩んでいます。うん。

トークの中で、一か所だけ、あ、それ違う、と言いたかったことがあるので書きます。女性側の支配欲みたいな内容のトークのとき、「ほかに女がいても構わないって思うのかも」といったコメントがさらりと出たんですが、この作中の「あたし」は、そこは全然平気じゃないんですね。だからこそ、狂ってるわけですが。親と子、男と女、一人のかけがえのない存在としてありたいけれどそうあれない自分。だからこそ、「おまえすげえな」といって特別な存在として自分を認めてくれた男の子との記憶にとらわれている。これが彼女のコアだと思うので、そこは、本来殺したいほど憎い(でもその憎さをぶつける対象としての実体が存在しない)とおもうけど、殺せないから自分の精神がゆっくりと死に向かう。そういう心理かと思ったわけです。解釈は違っても問題ないですし、このコメントが男性審査員側からの発言であったため、そこも含めて「騙せています」ということでオッケイです。はい!

女には、修正、訂正しないけれど、男性が呈する解釈に対して、内心でのみ「異」を唱えるシーンというものが、それはそれは恐ろしいほど存在する、と思っています。

二作講評いただく中で、文章がうまい、テクニックが、という部分が最初に出てきたのが、私としてはとても意外でした。これは謙遜でもなんでもなく、超絶下手だあああと本当に思っているためなんですが。

言い表したいものを、言語に落とすことが難しい。でも難しいからこそ、向き合う。逃げたくないと願う。逃げると落ち込むし、欝になる。向き合えば苦しいけど、そうしないではいられない。

人生逆噴射さんとおそらく発起人である諏訪さんたちが、私を受け入れてくれてうれしいです。ありがとうございました。第二回も出せるかというと、不安しかないのですが、気持ちは共にいさせていただきます。

実際、埋もれたままの100万文字は、そのすべてが逆噴射なのでしょうか???

とりとめもなく。

――

あ、書こうと思ってたこと忘れてたので追記。

今回の応募総数45だったかな? これ、少ないって思うでしょうか。配信の中では20くらいかと思ってたら倍きた!とおっしゃってはいましたが、公募先を探しておられる方からすると、少なく感じられるかもしれません。

私自身、書き始めたころは、応募数にばっかり目が向いていました。数が多いともうそれだけで無理だと思ったし、少なければ「ねらい目では!」と鼻の穴を膨らませてみたことも。でも数は本当に関係ありませんし、なんならその難易度的なものは逆行してる可能性もあるかもしれません。

なぜなら、あまり広まっていない賞を「知った人」のアンテナが相当チューンされている、ということの顕れでもあるからです。少ないけど、たぶんその人たちひとりひとりインタビューしてみたらとんでもないひとがいるかもしれない! ……門前払いされなくて、本当に良かったです……でもだからこそ、本当に参加させていただけてうれしいです。

今回、受賞後に、「公募情報はどこで探されてますか?」と聞いてくださった方がおられました。私は今回古賀さんがこれに応募してなければ、知ることがかないませんでした。すべて縁があるかと思います。

キャッチするアンテナを大切に!

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


名古屋志段味図書館主催 創作ワークショップのお知らせ(5/19)

ショートストーリーを書いてみよう ~「題名」から生まれる物語~ 当日発表される「題名」から一つ選んでグループでその物語…

丸山正樹先生、無料講演会。なごやにて開催決定!

丸山正樹先生講演会開催決定!名古屋市守山図書館にて。館内ではすでに配布されていますが、図書館公式Xよりフライングで流します!(回し…

20243/16

わたしのことを、嫌いなわたし。(Lyric)

わたしはわたしが嫌いだ。 好きでいたいけれど、わたしはわたしが嫌いだ。 だから好きになる努力をずっとしてきた。 それは努…

20243/15

グラスに拾う。(Lyric)

桜の花びらを拾った。 いっぱい拾った。 明日になれば潰れてしまう花びらを拾った。 薄張りのグラスにいれると、ピンクのコー…

守山図書館主催 創作ワークショップ開催します。

 3月17日(日)午後13:30~16:00の予定で、3枚の写真から原稿用紙2枚分のショートストーリーを書いてみよう、というワークショップ…

ページ上部へ戻る