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「ベイビーちゃん」出版によせて
短編になりますが、2017年にはじめて賞をいただいた『ベイビーちゃん』Kindle版を発行する運びとなりました。思い起こすことは多数ありますが、あまり書きすぎるのも作品に関する過分な情報となってしまいそうで、ここでは完結にまとめたいと思います。
もがき苦しみながら書き残してきた作品は数あれど、少なくともこれだけは形にして生み落としておいてあげたいという思いが長くあり、こうしてなんとか多くの方のご協力・ご意見を仰ぎつつ、手続きも終え、今日にいたります。
収益に関してはまったく考えていないので、最初から無償配布の形も考えましたが、そこはやはり著作物なので、興味のない方による乱読や悪用が起こりうることを懸念し、有償とさせていただきました。短編としては若干高いのかなと思いますが、Kindle Unlimited、Prime Readingなどのサービスを利用した閲覧をメインに考え、また定期的なディスカウント、無料配布期間の設定ができることなどを加味し、値段はこのように設定させていただきました。ですので定額サービスに入っておられない方は、無料配布をお待ちになっていただければと思います。システム上は3か月に一度5日間できるようです。あまり告知をしないかもしれませんので、ひっそりとデジタルコンテンツの中に蓄積する化石のような存在になるかもしれませんが、それはそれ。化石にも価値がありますので。ぜひとも興味のある方に発掘され、心の奥底にでもわずかばかりのスペースをいただき、細々と棲まわせていただけたらとても嬉しいです。
微々たる収益が発生した分については、なにかしらの形で世間にお返ししたいと考えております。そこは信用扱いになってしまいますが、申し訳ありません。レビューやご感想については、お返事できるかはわかりませんが、必ず読ませていただきます。そして私の心身の栄養となることは間違いありません。作品に出会ってお時間を頂戴したことに対して心から嬉しく思います。Thank you in Advance!
なお、電子書籍版巻末には私のあとがきと、表紙をお願いした画家であり書き手でもある山内崇敬氏による解説がついていますのでほんの少しお楽しみいただければ幸いです。
最後に、お世話になった方々への感謝を込めて。皆様の幸せと健康、そして平穏な日々がひそやかに続くことを願ってやみません。
2023年7月22日
虹乃ノラン
『ベイビーちゃん』Kindle版
作品紹介:アメリカのミズーリ州にある古ぼけた田舎町。のんびりと時間は流れ、単調でなんの変化もない、そんな僕たちの住むこの町が、一度だけアメリカ中の注目を浴びたことがある。それは、マーマーレード色の髪のマリールーがファッションモデルの夢破れ、NYから生まれ故郷のこの町に帰ってきた翌年の夏のことだ。 前向性健忘――記憶を覚えていられないマリールーと友達になるために、ぼくらはお金を出し合ってインスタントカメラを贈った。そんなある日、町の画家ピカソの絵が紛失した……。【紀州文芸振興協会 第一回Kino-Kuni文學賞「コエヌマカズユキ審査員特別賞」受賞作品】 (2017)
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