わたしはわたしが嫌いだ。
好きでいたいけれど、わたしはわたしが嫌いだ。
だから好きになる努力をずっとしてきた。
それは努…
桜の花びらを拾った。
いっぱい拾った。
明日になれば潰れてしまう花びらを拾った。
薄張りのグラスにいれると、ピンクのコー…
ロボットがほしかった。もらえたのは、ニューヨーク東八番街の奇跡に出てくるみたいなちいさなロボット型のラジコン。それは畳の上でじりじり動いた…
ざあ、と音がしていた。
とくとくと音がする。
わたしは白くて、子どもにはにがてな存在であるらしい。
わたしは溶か…
鼻の頭に瘡蓋ができて、いじっていたら血が出た。
とれた瘡蓋はうっすらとした茶色で、ポロリと落とせば床の木目に紛れるほど。
少し…
子供が泣き叫ぶ眠っていた猫たちが窓辺へ寄りうろうろとしだす
外にいる子供が叫ぶ四角い繭の内からはその方角を見失う
猫は見失うし…
外は桜退紅たいこうはさらに白み舞ながら地の汚れを吸い取って側溝に吹きだまりそして黙る
外は蝉ジジと最期の力を込めて鳴く脚は宙そら 翅…
美しい背中
膨らむ背中
いつか、吐かなくなる背中
…
昨日、ぼくはライオンが捕らえた鹿にキスをするのを見たよ。サバンナ? いやもちろん、アニマルプラネットティーヴィーでだよ。
昔飼っ…
エリザベスカラーの縁が
壁を削りながら歩いている
せわしなく擦る摩擦音は
彼女の苛立ちを高め 私を諌める
四つ足の…