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20256/28

カラスが泣くから帰れない(Lyric)

喧しく鳴く烏がフェンスの上

どうしたの と声をかけるも

視線は路の向こうの茂みの中

喧しく鳴く姿を認めるは、一羽だが

喧しさに応じて 喧しい声はさらに重なり

私は部外者 そこは自然の摂理の中にある

険しく厳しい 異端者の生活

通り過ぎ 足を止め 振り返り

低く空を 右往左往する黒いひとりの勇者を追う

倒れてはいるが 意識はあり 偽善者たる私を訝しみ

さらに奥へ進む力は 依然と残る

瞬時に落ちる雷鳴の その細かく割れた根の先の

千の未来を鑑みるように

私の一瞬先の偽善者たる未来を 想えども

尽きるも定めの運命ならばと 諦めの境地は在れど

私はそこの住人たりたくは ない

水を抱えて その地へ戻れば

すでに声はなく

姿もなく

寄り添うように求めあっていた喧しいふたりの姿は

泣き声として 脳裏に宿り

この先細く 私を蝕む

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