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ハリケーン・アンドリュー
前回の記事はこちらです。この記事は「そのハミングは7」の製作ノートです。
にじのです。みなさんこんばんは!
さて、トビーのこの物語は1992年フロリダから始まります。
トビーたちレーベンシュタイン一家は、シカゴに住んでいますが、大学教授である父エドモンドの学会参加に合わせて休みをとり、休暇でフロリダ・オーランドを訪れます。ここで黒いネズミのいる巨大テーマパーク(ディズニーランドですね)に行った後、キャンピングカーを借りて一家は一路南へ向かいます。
興味ある人いるかな?ちょろっとフロリダの地図を。
ディズニーがあるのは、オーランドのちょっと西側です。
トビーたちが目指すのは、フロリダ南端のエバーグレーズ国立公園。レンタカーを借りてえっちらおっちら。うすいオレンジ色に見えているところがハイウェイなので、マイアミによれる感じのルートをとりながら結構時間のかかるコースです。
ホームステッドを経由して、国道9336を通り、エバーグレーズを目指します。この途中でトビーたちはハリケーンに遭遇したことになっています。
さてこの1992年8月のハリケーンとは、ハリケーン・アンドリューのことです。カテゴリ―5を記録したハリケーンは、1999年代までにアンドリューを含めて3つしかありません。上陸時の中心気圧は922hpaで、54人の直接死者を出しました。この被害は、当時のアメリカで最大のものだったと記録されています。
命はとりとめたトビーたちでしたが、気づけばトビーはシカゴの病院に収容されていて、包帯グルグルの状態です。そして失明を告げられます。
ハリケーンに奪われた光。その瞬間、キャンピングカーの中でラジオから流れていた音楽は、皮肉にもアメージンググレースでした。
Amazing grace! How sweet the sound
(驚くべき恵み なんと甘美な響きよ)That saved a wretch like me!
(私のように悲惨な者を救って下さった)I once was lost but now I am found
(かつては迷ったが、今は見つけられ)Was blind, but now I see.
(かつては盲目であったが、今は見える)――Ameazing grace.(讃美歌)
”かつては盲目であったが、今は見える”
トビーは9歳でした。突然光を失った少年は、どうなるのでしょう。ぶつける先のない怒りと、苛立ちに支配され、ハリケーンは去っても、その蠢く黒い魔物の闇にトビーは取りつかれたままとなってしまいます。
次へ続きます。
トビーの物語はこちらで読んでいただくことができます。
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