© 虹乃ノラン All rights reserved.

それは深夜の公園で。

今晩は。今日も街灯という名の、月が出ています。
空は見上げませんでした。

自転車のカギを、また失くした。
だから、歩く。だから、歩く。

自転車のカギを、また失くした。
だから、普段よらない公園に、ふと足を留め、そしてその柵へ座る。

柵はなんのため。

柵は、仕切りのため。

柵は、入り口をつくるため。

柵は、角をつくるため。

柵は、座るため。

子供のころ、この柵に座り、何を考えたのか。
ブランコを見る。赤と青。揺れる。ブランコが。

小さかったのだ。それは、小さかったのだ。

自転車のカギを失くした。だから歩く。
そこに、開く扉がきっとある。手を伸ばすかどうかは、気づくかどうかだけのことで。

いえ、それは大げさなことなのではなくて、すべての人にあり、きっとみんなが気づいている。

しかし、だがしかし、運命の岐路は、こわい。こわいのだ。

月が覗く。そこに月はある。星はある。見えていても見えていなくとも。

光はある。

その光に、たとえ背をそむけたとしても、背中が照らされているのであれば。

つかみたいという想いがあるのなら。
重みに負けるな。きっとつかめる。

おやすみなさい。

nijino noran.

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


ココア共和国2024年10月号

 月刊ココア共和国2024年10月号、4コマ詩掲載いただきました!ありがとうございました。 詩は、「今日は雨だ。わり…

ココア共和国2024年9月号

 ココア共和国2024年9月号、4コマ誌、誌面掲載していただきました。表紙に名前も!  詩は、「カーテンの内側」と「樹上葬の岐れ」の…

守山図書館、読書感想文の書き方講座、無事終了いたしました。

 タイトルどおりです。椎間板ヘルニア(L5/S1)手術のため8月4日に入院を控えており、色々と懸念事項がありましたが、無事にワークショップ…

ココア共和国2024年8月号

 ココア共和国2024年8月号に掲載していただきました。ありがとうございます!表紙にも名前がうれしい。詩は『カラード』と、『ダスト』の2本…

リーフで淹れたダージリン(Lyric)

メールを待ってるだけだけどお気に入りのシャツを着た。 リーフで淹れたダージリン 毛茸がきらめく今日の初恋 …

ページ上部へ戻る