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蝉のビブラートとともに。
こんにちは、にじのです。
きょうはひらがなのきぶんです。まるーいまるい。
えっと、蝉が鳴きはじめました。夏がやってきます。ああ、命だなあと、思う。
ビブラート、揺らぎ、びびびびびって届く、その命の音。
ふと考える。自分は、鳴けているだろうか。
いうでしょう、十分だって。そうなのかな。わからなくなる。
でも、わからなくたっていいんだって。そうも思う。
あふれようとする想いはたしかにあって、でもまだその皮膚はとても柔らかくて、外界にさらされることを、とても怖がっている。
怖がったっていいんだ。きっと誰かがそばにいるから。
怯えたっていいんだ。きっと誰かが守ってくれるから。
その誰かがこの世にいない誰かなのだとしても――
その誰かが自分の中の妄想なのだとしても――
怖がったっていいんだ。きっと誰かがみているから。
情けなくたっていいんだ。きっと誰かが誰かが誰かが。
かすかに聞こえる蝉の音は、すこしたてばもう聞こえなくなるだろう。
それでもきっと会える。また会える。ここにいるから。
nijino noran.
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