© 虹乃ノラン All rights reserved.

蝉のビブラートとともに。

こんにちは、にじのです。

きょうはひらがなのきぶんです。まるーいまるい。

えっと、蝉が鳴きはじめました。夏がやってきます。ああ、命だなあと、思う。

ビブラート、揺らぎ、びびびびびって届く、その命の音。

ふと考える。自分は、鳴けているだろうか。

いうでしょう、十分だって。そうなのかな。わからなくなる。

でも、わからなくたっていいんだって。そうも思う。

あふれようとする想いはたしかにあって、でもまだその皮膚はとても柔らかくて、外界にさらされることを、とても怖がっている。

 

怖がったっていいんだ。きっと誰かがそばにいるから。

怯えたっていいんだ。きっと誰かが守ってくれるから。

 

その誰かがこの世にいない誰かなのだとしても――

その誰かが自分の中の妄想なのだとしても――

 

怖がったっていいんだ。きっと誰かがみているから。

情けなくたっていいんだ。きっと誰かが誰かが誰かが。

 

かすかに聞こえる蝉の音は、すこしたてばもう聞こえなくなるだろう。

それでもきっと会える。また会える。ここにいるから。

 

nijino noran.

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


虹乃ノランの名前の由来について

お久しぶりです。お知らせや告知ではないもので、ここでこうして筆(キーボード)を執るのはとてもとても久しぶりな気がします。 最近、スマ…

202512/1

「破滅派23号」に寄稿しました。

「赤に舫う」というホラー短編を寄稿しました。こちらから購入が可能です。 破滅派23号 特集:AIをリライトする 破滅派…

ココア共和国12月号に掲載されます。

ココア共和国12月号、今月もとっていただけました。 ココア共和国12月号 4コマは「果てる」と「からだ」の二本。 4コマ…

文学フリマ東京41に出店しました。

2025年11月23日に東京ビッグサイトで開催された文学フリマ東京41に出店してきました。屋号はハミング研究所。初参加でなにかと不慣れなこ…

ココア共和国11月号に掲載されます。

ココア共和国11月号、今月もとっていただけました。 4コマは「心ころころ」と「とことこ晴れ」の二本。これは以前「くすりのじかん」とし…

ページ上部へ戻る