© 虹乃ノラン All rights reserved.

宛先のない手紙

漂う大海に流されるその手紙は
見つけてもらうことを知っている

叩く音はこだまとはならず
受ける振動は自分の想いだ

届けとは願っていない
なぜならすぐに見つけてもらうことを
宛先のない手紙は知っているからだ

書かれていないことは
書かれていることよりも遥か先
技は斜めに落としたり
手紙は斜に構えたり
想いは深く抉ったり

露呈して泣きたくなることもあるけれど
それは泣けばいいだけの話で

宛先のない手紙を受け取りましたか?
それはあなた宛のものですか?

確かめなくていい
それは正しいから

間違っててもいいけど
だってそれは正しいから

返事を伝えたいのなら
空を仰げばいい

青空も
雨空も
暗闇も
晴天も
まぶたの裏の
星空も

返事を伝えたいのなら
今を生きればいい

きっと誰かがみてるから
きっと誰かがみてるから

 

nijino noran.

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


名古屋志段味図書館主催 創作ワークショップのお知らせ(5/19)

ショートストーリーを書いてみよう ~「題名」から生まれる物語~ 当日発表される「題名」から一つ選んでグループでその物語…

丸山正樹先生、無料講演会。なごやにて開催決定!

丸山正樹先生講演会開催決定!名古屋市守山図書館にて。館内ではすでに配布されていますが、図書館公式Xよりフライングで流します!(回し…

20243/16

わたしのことを、嫌いなわたし。(Lyric)

わたしはわたしが嫌いだ。 好きでいたいけれど、わたしはわたしが嫌いだ。 だから好きになる努力をずっとしてきた。 それは努…

20243/15

グラスに拾う。(Lyric)

桜の花びらを拾った。 いっぱい拾った。 明日になれば潰れてしまう花びらを拾った。 薄張りのグラスにいれると、ピンクのコー…

守山図書館主催 創作ワークショップ開催します。

 3月17日(日)午後13:30~16:00の予定で、3枚の写真から原稿用紙2枚分のショートストーリーを書いてみよう、というワークショップ…

ページ上部へ戻る